緑内障とは |
何らかの原因で視野(見える範囲)が障害され、進行すると見えなくなる事もある病気です。 |
● 20人に1人 |
岐阜県多治見市で行われた緑内障疫学調査により、40歳以上の日本人の20人に1人は緑内障であるということがわかりました。 |
● 自覚症状 |
初期の段階では自覚症状はほとんどありません。これは中心部から離れた部分から見えにくくなることが多いことと、見えにくい部分があっても両方の目で補って見ているために自分では視野障害には気づかないことが多いからです。 |
● 早期発見 早期治療 |
現在、一度障害された視野を元に戻す治療法は無く、病気の進行を遅らせることが治療の目標となっています。そのため最も重要なことは早期発見、早期治療となります。 |
● 緑内障の診断 |
眼圧検査、眼底検査、OCT検査、視野検査などの結果を総合的に判断し診断されます。健康診断や会社検診などで「視神経乳頭陥凹拡大」や「高眼圧症の疑い」、「緑内障の疑い」などの異常があった場合は必ず一度眼科を受診し、診断を受けるようにしましょう。 |
■ 網膜神経線維層欠損 |
視神経乳頭部から扇状に広がる、周りの網膜の色と比べて少しくすんで見える部分が網膜神経線維層欠損部です。網膜神経線維層欠損は最も早期に生じる緑内障性眼底変化といわれ、その部位に一致する視野障害を認めることが多い所見です。 |
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■ 網膜神経線維層欠損(白黒写真) |
網膜神経線維層欠損を無赤色フィルター光にて撮影すると、その部分が周りの網膜に比べ暗く写り、通常の検査よりはっきりと観察することが可能となります。 |
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■ 視野欠損 |
黒い部分が見えにくい部位です。緑内障の場合、弓状暗点や鼻側階段など呼ばれる中心部を避けた視野障害から進行することが多いといわれています。 |
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■ 視神経乳頭部出血 |
丸い部分が視神経乳頭部といわれる部分です。視神経乳頭出血は健常者では稀(0〜0.21%)で、緑内障性変化を持つ視神経乳頭に特徴的に生じるとされています。 |
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白内障とは |
目の中の水晶体と呼ばれる部分が濁ってしまう病気が白内障です。 濁り方は人それぞれで、濁り方の違いにより症状も変わります。 |
● 原因 |
最も多い原因は加齢(年をとっていくこと)によるものです。 そのほかにも先天性、外傷性、アトピー性皮膚炎や糖尿病による合併症、薬の副作用など様々な原因で起こります。 |
● 症状 |
一般的なものは「目のかすみ」や「視力低下」です。特に、メガネを調整してもなかなか良い視力が出ない場合、白内障を疑う必要があります。 そのほか、「目のまぶしさ」、「メガネが合わなくなってきた」、「物がだぶって見える」などの症状があることもあります。 |
● 検査 |
視力検査と細隙灯顕微鏡検査(特殊な拡大鏡を使って水晶体の濁りを見る検査)が最も基本的な検査となります。 また、詳細に調べるためには散瞳剤を使った検査が必要となります。 |
● 治療 |
白内障を改善する方法は、現在手術療法のみとなります。日常生活に不自由を感じない程度であれば、点眼薬などを使用することにより白内障の進行スピードを遅くする治療を行います。 |
屈折異常(近視・遠視・乱視)と調節異常(仮性近視・老視)について |
■ 正視 |
遠くから目に入ってきた光が、ちょうど網膜(眼の奥にあるカメラのフィルムにあたる部分)にピントを合わせている状態のことです。 |
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■ 近視 |
遠くから入ってきた光が網膜より前で像を結ぶため、ぼやけてしまう状態です。ピントを合わせるためには凹レンズによる矯正が必要です。 |
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■ 遠視 |
遠くから入ってきた光が網膜より後で像を結ぶため、ぼやけてしまう状態です。通常、生まれてすぐの赤ちゃんは遠視で、成長に伴い徐々に近視化していきます。ある程度の年齢になっても強い遠視が残る場合、目の成長が妨げられ将来視力が出にくい目(弱視)となる場合もあります。ピントを合わせるためには凸レンズによる矯正が必要です。 |
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■ 乱視 |
遠くから目に入ってきた光が網膜に像を結ぶ際、縦の光と横の光がずれてしまう状態のことです。ピントを合わせるためには円柱レンズによる矯正が必要です。 |
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■ 仮性近視 |
近くを長く見続けることにより毛様体筋が異常な緊張を起こし、水晶体が厚くなった状態が続いてしまう状態です。目の緊張をほぐすため目薬を使った治療を行います。 |
■ 老視 |
年齢に伴い水晶体が硬くなり、調節力が低下した状態のことです。40歳前後から始まるとされ、視力低下や目の疲れの他に頭痛、吐き気、肩こりなどの原因となることもあります。本人に合わせたメガネをかけることが重要です。 |
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■ 調節力 |
目に入ってきた光が網膜に到達する間に、ピントを合わせようとする力のことです。目の中の毛様体という部位が、水晶体と呼ばれる部分の厚みを調節することにより生じます。子供のうちはこの力が強く、年齢を重ねるほど低下していきます。 |